早稲田大学 理工学術院総合研究所 Research Institute for Science and Engineering

国際宇宙ステーションにおける高エネルギー宇宙線実験 (CALET)(4期目)

国際宇宙ステーションにおける高エネルギー宇宙線実験 (CALET)(4期目)
High energy cosmic-ray observation onboard ISS (CALET)

  • 研究番号:17C01
  • 研究部門:サイエンス系
  • Research Section:Scientific Research Section
  • 研究種別:奨励研究
  • 研究期間:2017/04/01~2018/03/31

代表研究者

代表研究者

浅岡 陽一 理工研が募集する次席研究員
ASAOKA Yoichi Researcher

理工学研究所 鳥居 祥二研究室
Research Institute for Science and Engineering

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年次報告

研究概要

宇宙線電子線望遠鏡(CALET)計画は、国際宇宙ステーションに大面積カロリメータを有する高機能粒子検出器を搭載することで、GeV-TeVにわたる広いエネルギー領域で電子線とガンマ線流束の精密測定を行い、近傍の宇宙線加速源やダークマターを探索することを第一の目的としている。CALETはJAXAと早稲田大学の共同プロジェクトとして、2015年に国際宇宙ステーション(ISS)への打ち上げが成功し、現在ISS軌道上で2年間(目標5年)の観測を継続中である。この観測データを用いて、ダークマター対消滅の痕跡の可能性が指摘されているsub-TeVでの電子過剰問題に決着をつけ、さらに20TeVまでの電子スペクトルの精密測定により近傍加速天体の証拠を発見することが期待されている。

 

CALET検出器の最大の特徴は、非常に分厚い撮像型と全吸収型を組み合わせた高性能カロリメータである。放射長の30倍という物質量を誇るカロリメータはTeV領域の電子シャワーを完全に吸収することが可能であり、その分厚いカロリメータで撮像されるシャワー像の発達の違いから、電子成分の観測に際して多大なバックグラウンドとなる陽子事象を排除することができる。sub-TeV領域での電子過剰問題に決着をつける上では、この分厚い高性能カロリメータによって実現される2%のエネルギー分解能と十分なバックグラウンド除去能力が特に鍵となる。さらに20TeVまでの電子スペクトルを得るためには、検出器の工夫に加えてISS搭載によって可能となる大面積化と長期観測が非常に重要である。これらの特徴により、CALETは直接観測の限界を更新するユニークなプロジェクトとなっている。

 

2015年10月にISSにて観測を開始したCALETは、現在に至るまで順調に軌道上運用を継続している。2016年にはトランジェント事象に関連する観測結果を2編報告し、CALETによる科学成果発信の口火を切ることができた。2017年初頭にはCALETの軌道上エネルギー較正方法とその精度を詳説した論文を発表しており、特にエネルギー測定精度が重要となる宇宙線スペクトル測定結果の報告に向けた準備が整ったと言える。本研究の目的は、早稲田大学に設置したWaseda

CALET Operations Center (WCOC)

の機能を駆使して高効率運用を継続すると共に、さらにデータ解析を進めて科学成果を発信することである。特に主目的である宇宙線電子スペクトルの観測結果を報告することが最重要課題となる。

 

(論文リスト)

  1. Energy Calibration of CALET Onboard the International Space Station, Y. Asaoka et al., Astropart. Phys. 91 (2017) 1. DOI:


10.1016/j.astropartphys.2017.03.002

  1. CALET Upper Limits on X-ray and Gamma-ray Counterparts of GW151226, O. Adriani et al., ApJ Letters 829 (2016) L20. DOI:


10.3847/2041-8205/829/1/L20

  1. Relativistic electron precipitation at International Space Station:


Space weather monitoring by Calorimetric Electron Telescope, Ryuho Kataoka et al., GRL 43 (2016) 4119. DOI: 10.1002/2016GL068930 4. CALET's sensitivity to Dark Matter annihilation in the galactic halo, H. Motz, Y. Asaoka, S. Torii and S. Bhattacharyya, JCAP 2015

(2015) 12, 047. DOI: 10.1088/1475-7516/2015/12/047 5. Energy calibration of Calorimetric Electron Telescope (CALET) in space, T. Niita et al., ASR 55 (2015) 2500. DOI:

10.1016/j.asr.2015.03.006

 

(競争的資金)

科研費・基盤研究 (B) 一般 (研究代表者), CALETデータ解析システムのリアルタイム化によるトランジェント現象の観測, H29-H31.

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